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講座レポート 2024/5/20 No.2024-4 米の文化とすしの歴史


講座日  令和6年5月20日 13:30~15:30                              

講師   原田信男 

                 (国士舘大学名誉教授)


米の文化と麦の文化を体系立てての講義。米の原産地は中国揚子江下流域で東南アジア(モンスーン地帯)に広がったのであり、温暖湿潤の地で稲作に適するとともに、これには大量の水が必要で、そこには魚が棲むことから、米と魚の文化が生まれた。片や麦の原産地は東トルコであり、乾燥寒冷地に適し、西アジア・西北ユーラシアに広がった。小麦が主な食料となっている。これに牧畜が伴い、乳を出す牛や羊などが飼われることから、肉と乳が組み合わされた食生活が営まれた。そして米と魚の文化では、魚を発酵させた魚醤や大豆を用いた味噌・醤油などの穀醤が調味料となり、麦と肉の文化においては、肉や骨を煮込んだスープとクリーム・バター・チーズなどが味付けの主体となっている。

日本においては7世紀の古代統一国家から米への異様な執着が進み、国家が米の生産の為に肉食を否定した。明治になりようやく肉食再開宣言が打ち出されたのである。

また発酵は特殊な微生物の作用による現象でアミノ酸発酵=魚醤、乳酸発酵=ナレズシ、アルコール発酵=酒、酢酸発酵=酢となる。江戸時代の酢の発明がご飯に酢を合わせ、具を入れた握り鮓となりすぐ食することができるようになった。以上現代日本においては世界の料理を堪能できるが、寿司の魅力は世界に広がっている。

 


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