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講座レポート 2024/5/13 No.2024-3 破局噴火と人類 ースーパーボルケイノと超広域火山災害ー


講座日  令和6年5月13日 13:30~15:30                              

講師   高橋正樹 

                 (日本大学文理学部 自然科学研究所上席研究員)


最近の人類(ホモサピエンス)が誕生したのは約20万年前であるがそれ以後も大規模な火山災害が度々地球上で発生している。7万4000年前におきた最大のインドネシア・トバ火山では5300㎦のマグマ噴出と共に、大量の二酸化硫黄が成層圏に放出されたため、深刻な火山の冬がもたらされた。平均気温が6年間10℃余りも低下し、人類は絶滅の危機に瀕し、4000~1万人にまでに減少したという(ボトルネック説)生き残った小集団の一部(150人程度)が出アフリカを図り、ユーラシア大陸以降に拡散した。現在の人口は81億人と繁栄しているものの、遺伝子多様性は乏しい。

この他噴火現象と火山災害の解説。噴火による危険現象、火砕流の危険な性質などの説明を受ける。トバ火山噴火以外には箱根東京軽石噴火(6万年前)、南九州姶良超巨大噴火(3万年前)、南九州アカホヤ超巨大噴火(7300年前)、阿蘇4超巨大噴火(9万年前)、米国イエローストーン超巨大噴火(63万年前)、インドネシア・タンボラ噴火(1815年 夏の来なかった年)などである。

超巨大噴火は日本列島に核爆弾数発が落とされ、直接の戦場となったようなもので、一般の自然災害・防災の概念を越えているのであるが、予測は現時点では極めて困難で国際的な避難救援計画、地球寒冷化に備えた食料、パンデミック、エネルギー問題などの国際的な準備が必要とされるとの講座でした。今日明日という事象ではありませんが人類と地球の長い歴史において考えさせられる講座でした。


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