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講座レポート 2024/4/8 No.2024-1 宗教で読み解く世界


講座日  令和6年4月8日 13:30~15:30                              

講師   橋爪大三郎 

                 (大学院大学至善館教授・東京工業大学名誉教授)


橋爪大三郎講師は著名な社会学者で理論社会学、宗教社会学、現代社会論が専門。著書は多数。今回の講座は宗教別四大文明の解説と日本との比較の講義であった。世界の四大文明とはユーラシア大陸で発達してきた①キリスト教文明 25億人、②イスラム文明15億人、③ヒンドゥー文明 10億人、④中国儒教文明 14億人で地球人口の約85%を占める。一神教はキリスト教とイスラム教。何故宗教が生まれたかについて、人口が増えるに従い、人類が他の人類に支配されない為に一神教ができたとの解説。神が生と死をコントロールしており、神および神が認めた人が人を支配するのは正しいという考え。ヒンドゥー教において世界は因果関係でできており、前世と来世に生命が繫がっていく輪廻の考え。カースト制上位のバラモンが瞑想により真理を追究する。輪廻により他の階層でも順番待ちで来世にバラモンとなる可能性あり。中国儒教においては人が人を支配するのは正しいとする考え。皇帝が天命をうけて政治を行い、科挙の試験を受け、能力を証明されたものが官僚となる方式。日本においてはこの四大文明に属さず、独自の神仏習合、神仏分離、死者の国の存在、また極楽や地獄があると考えられるようになったのである。日本社会のルールだけが、世界の文明のルールと異なっていて、海外展開をはかる場合に、熟慮すべき点との由。普段宗教についての解説が少ないなか、興味深く貴重な講座であった。講座修了後1時間ほど講師との座談会を行う。


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