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講座レポート 2024/1/29 No.2023-18 世界・日本の運河紀行


講座日  令和6年1月29日 13:30~15:30                              

講師   狩谷求 (日本・パナマ友好協会理事、駿河台大学名誉教授)


狩谷講師は慶應義塾大学を卒業後東京銀行に入行。海外支店が多い同銀行にあっては、世界各地に赴任することとなりパナマでも勤務した。パナマの生活が縁で運河に興味を引かれ、世界各地の運河を歴訪し知見を深めたのである。

パナマ運河―スエズ運河を建設した仏人レセップスの海面式運河が挫折し、米国政府が、自国艦隊の大西洋と太平洋間の移動を容易とする目的で閘門(コウモン)式運河の建設に乗り出し10年の歳月をかけて1914年に完成させた。全長82Km。海抜26mの高低差の中央に人造湖を配し、3段ずつ水門を開け閉めして上り下りする方式。その後1999年にパナマ政府に返還され、2016年にはネオ・パナマックスサイズの船の通過を可能とするさらに大規模な第3レーンが完成した。受講者に元船長でパナマ運河を何度も運行した経歴を持つ人の話によると、細心の注意は運河の水深の状況、何トンの荷まで積めるかであったとの事。現在は70年に一度の渇水、人造湖の水不足のため通常1日36隻の通行が24隻となっている。この他、パナマ運河建設に携わった唯一の日本人、青山士(アキラ)の話、シカゴの閘門式運河、欧州の運河、英国のナローボート、中国の大運河、日本の琵琶湖疎水、木曽三川宝暦治水などの講義を受ける。世界と日本の運河についての興味ある講座であった。

 


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