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講座レポート 2023/10/16 No.2023-12 上野動物園を振り返って ”動物園の歴史を創った動物たち”


講座日  令和5年10月16日 13:30~15:30                              

講師   小宮輝之 (元上野動物園園長)


上野動物園は、1882年(明治15年)に農商務省所管の博物館付属施設として開園した。141年の歴史を有している。開園当時の面積は1ヘクタール程で現在は14ヘクタールとなった。現在は東京都の所管。2004年から2011年まで園長を勤めた小宮輝之講師にその変遷、取り組みやエピソードを聞く。動物園は昔から人気があって、博物館付属施設といえども収益の2/3程は動物園によるもので博物館から切り離すことは異議が多かった。動物の獲得方法として「購入」、「寄贈」、「交換」等がある。タンチョウ鶴は特に海外で人気であったので動物園で多く繁殖させて海外の動物と交換した。獲得した動物の寿命を延ばすことは重要事項であり、より広い環境や、太陽光の下で運動を優先した不忍池のテナガザルの島、コウテイペンギンはカビで呼吸器を冒されて死ぬことが多く、水虫薬の抗生物質を吸入させ、劇的な効果を上げるなどした。動物園の役割は「レクリエーション」、「教育」、「研究」、「自然保護」であり、これに「種の保存」、「環境教育」が加えられ、上野動物園は多くの動物の繁殖に成功している。ゾウは初産で産み落としたあと母ゾウが興奮して赤ちゃんゾウを蹴るなどしたため飼育員がなだめて落ち着かせたという。自然界では姉妹ゾウ等がお産をサポートするとのことであった。受講者は多くのストーリーが動物園にあると理解した。


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