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講座レポート 2022/9/5 No.9 井原西鶴にまなぶ成功術


講座日  令和4年9月5日 13:30~15:30

講師   助川幸逸郎講師 (東海大学教授)


井原西鶴は江戸時代初期の人物で松尾芭蕉よりも2歳上。この頃は文筆で生計を立てる事は出来ず、「江戸の商品を買い付ける問屋」業をしてかなり裕福であった様子。原稿料や印税で暮らせる人間があらわれたのは江戸後期となる。西鶴の散文作品である「日本永代蔵」はどうしたら長者になれるかをテーマにした30作からなる連作短編集であり、この解説を受ける。長者学その1 これまでのやり方との差別化。三井家の繁栄を描いたモデル小説で武士への掛け売りをやめ庶民に現金払い、値引きなし、小口商売で成功。長者学その2 「宛先を忘れた技術革新に意味はない。 中国人が三世代かけて歯車時計を開発し、世界に普及したが、開発者には富をもたらさなかった。長者学その3 倹約無くして致富は不可能。されど・・・。 あの世に富はもっていけない。必要のある時は惜しみなくお金を使え!。現代にも通じる内容であり、話が発展してサイゼリア、ユニクロの成功理由、箱根強羅のソバ屋、事業継続のモチベーション等話題が多く、質問も多く出て活発な講座であった。