· 

講座レポート 2022/7/11 No.8 北条義時の生き方 ~2022年NHK大河ドラマに因む~


講座日  令和4年7月11日 13:30~15:30

講師   松村英明 (日本歴史文化研究所教授)


「鎌倉殿の13人」の主役の北条義時の人物像の解説、源頼朝との関係、のちに勃発する承久の乱等の講義を受ける。義時の性格は怜悧果断。源頼朝死去後の御家人達の権力闘争を生き延び、北条家を鎌倉幕府150年の支配者とした。 源頼朝の父は平家に滅ぼされた源義朝、母は従四位下の熱田神宮大宮司家の名門の出で頼朝は嫡男として生き延び、血筋からも平家討伐の代表として最適人物であった。しかるに北条氏とは一体何者か、父時政は伊豆の国の在地豪族で、源頼朝が伊豆の配流時の監視を任された。時勢を読み深謀遠慮に長ける時政は平家に翳りが見えた頃、国中に不満がたまり、これを契機として時政らが源頼朝を担ぎ決起した。

承久の乱について朝廷・天皇側が挙兵して倒幕の兵を挙げたのは長い歴史の中で唯一無二の事である。後鳥羽上皇は義時追討の宣旨を全国に発布した。対して東国武士たちが総勢19万の大軍となって都へ攻め上った。義時追討の宣旨発布からわずか1か月後の幕府軍の完勝であった。京方の貴族・武士たちの所領3,000か所はすべて幕府に没収され、新たに東国武士たちが恩賞として地頭に任命された。NHK大河ドラマに関連し興味深い講座であった。