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講座レポート 2022/5/9 No.3  浅間山の噴火


講座日  令和4年5月9日 13:30~15:30

講師   高橋正樹講師 (日本大学文理学部 自然科学研究所上席研究員)


リゾート地として知られる長野県軽井沢。浅間山は軽井沢北西の、長野県と群馬県の東西に延びる県境付近に位置する。わが国を代表する活動的な火山である。2009年の小規模噴火以降静穏な状態を続けているため若い世代には危険な火山と言われても実感は無いかも知れないが1万年以降噴火を開始したきわめて若い火山で、しかも最近2000年間にその活動度を上げている、極めて危険な活火山なのである。講座では噴火の種類、噴火のメカニズム、マグマだまりの位置、噴出物の説明、噴火災害、噴火予知の方法などの話があった。なお人工衛星による上下、水平方向の地殻変動を高精度で検知できるようになり、噴火予知に役立っている。江戸時代1783年の天明大規模噴火については沢山の古文書記録が残っており、その正確さに驚くと共に、詳しい推移が明らかにされている。現在においては前兆現象を観測する地震計やGPS、傾斜計などの観測機器は火山周辺に多数配置されていて、前兆現象があれば直ちに噴火警戒レベルが引き上げられる仕組みになっている。東京から近い北陸新幹線沿いに見える身近な山であるが、改めて危険な活火山ということを認識した。