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講座レポート 2022/4/18 No.2  芥川龍之介旧居跡地に刻まれた記憶 ~発見された防空壕跡~


講座日  令和4年4月18日 13:30~15:30

講師   木口直子講師 (田端文士村記念館研究員)


大正から昭和にかけて日本文学を代表する芥川龍之介が家族と共に過ごした田端435番地(現・田端1-20)。東京都北区はその一部を取得し、日本初の芥川龍之介単独顕彰館(仮称)、記念館開設に向け、準備を進めている。ついてはこの地の埋蔵文化財発掘調査が行われ2つの防空壕跡が発見された。近代の日用品が多く出土したがその背景を辿ると、芥川龍之介との不思議な縁を感じるものも多く、貴重な資料となった。木口講師は発掘調査に参加して、出土品を調査。澁澤栄一が興した「耕牧舎」の牛乳瓶では龍之介の実父の新原敬三が耕牧舎から独立し成功者となった事。丸善インキ瓶は龍之介が使っていたことは周知の事実。その他、坩堝,瓦、薬瓶等の出土品の調査の報告があった。また江戸時代の穴倉から戦時の防空壕の用途の変遷の解説。澁澤栄一の事業解説。木口講師の芥川龍之介研究の熱心な姿勢や調査が分かり、明快な語り口に時間の経つのを忘れて拝聴しました。また文学の雰囲気を残し、講演内容に於ける沢山な切り口が、参加者の心を引きつける魅力に繋がっていったと感じました。