講座日 令和4年12月5日 13:30~15:30
講師 坪井ゆずる講師 (朝日新聞論説委員)
岸田首相が当初強調していた「聞く力」「丁寧な説明」「決断と実行」について、その現状はどうかを鋭く解説した。「聞く力」については「金融所得課税」を打ち出したが、株価急落を受けて撤回。誰の声に耳を傾けているのかが問われる。国葬の決め方については自民党阿部派の声を聞いて、過去の国葬の経緯を学ばず、国会も軽視した。また政策も一夜にして転換をしばしば行っている。「丁寧な説明」においては言葉遣いが丁重なだけで中身がなく、いまだに看板政策である“新しい資本主義”“令和版所得倍増→資産所得倍増”“デジタル田園都市構想”の中身がわからない。「決断と実行」においては何を決め、何をしようとしているのかが不明。原発回帰が鮮明になっている。ウクライナ問題においては過去27回プーチン氏と会談した安倍元首相が特使としてロシアを訪問したらどうだったか。戦争の終了が難しい状況になり、正義が問われている。また第3次世界大戦が始まっているとの見方もある由。その他、違法行為に対する地方公務員と国家公務員の賠償請求の違い。小選挙区制で2大政党政権が出来る可能性など、話題も多く有用な講座であった。