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講座レポート 2022/11/21 No.14 日本古代史「深掘り!古代の上野国」


講座日  令和4年11月21日 13:30~15:30

講師   平澤加奈子講師 (東京大学資料編纂所)


上野国(かみつけのくに・こうずけのくに)とは現在の群馬県であり、当初は毛野国と呼ばれた。それが上毛野国と下毛野国に分かれ、704年令政国国名の規則により、2文字となった為、上野国と下野国になる。ただし毛という名は現在でも多く使われており、上毛新聞、上毛電鉄、両毛線などと呼ばれているのは興味深い。群馬県となったのは明治4年の廃藩置県で高崎、前橋の呼び名であった群馬郡を群馬県としたものである。またこの地は大型前方後円墳が多く、大量の埴輪が出土している。これは520年頃の榛名山の大噴火により、そのままの状態で残った為であり、日本のポンペイとも呼ばれている。高崎市の保渡田古墳群は整備復元されており、一見の価値がある。同じく高崎市の観音山古墳は未踏掘だったため膨大な量の副葬品が出土。国宝に指定されている。6世紀後半には300年続いた前方後円墳の時代が終わり、ヤマト王権が新政治体制を目指す。上野三碑は奈良時代前後に作られ、渡来人との交流を示す原史料として世界記憶遺産に指定されている。正に深掘りで興味深い講座でした。