講座日 令和4年6月13日 13:30~15:30
講師 関水和久講師 (東京大学名誉教授・帝京大学教授)
昆虫少年から薬学博士になった関水和久講師の講座は令和3年8月2日に続き2回目となり、抗生物質の話から始まる。新しい抗生物質は1970年代から殆ど発見されなくなった。また耐性菌の出現により在来の抗生物質の効力が無くなってきており、早期に新抗生物質の発見が必要とされている。カイコ創薬で発見した新規抗生物質ライソシンEの開発研究を続けており、クラウドファンディングで本年4月に900万円程資金調達でき、さらに開発を進める事になった。薬として承認を受けるまでには長いステップが必要とされ、かつ資金は10億円~100億円程度必要となるのでどこまで行けるかは不明。カイコを使った動物実験のメリットとして、糖尿病モデルも作れるとの事。また化粧品の毒性試験、感染症モデル、自然免疫活性化モデルも対応可能。
「炎症における飽和脂肪酸の役割」について講義があり、炎症とは怪我、薬品、感染ストレスによる生体防御反応で過剰となればサイトカインストームとなる。今回も難しい内容であったが知的好奇心が多いに刺激された。