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講座レポート 2023/1/16 No.17 古典文学「平安朝の日記文学」


講座日   令和5年1月16日 13:30~15:30

講師    斎藤貞博講師 (元都立高校校長)


前回講座(令和4年2月7日)の讃岐典侍日記 ㈠ さぬきないしのすけのにっき㈠)に続く讃岐典侍日記(二)の講座。寵愛を受けた堀河天皇の死去後、藤原長子(ちょうし)が書き残した日記。堀河帝を失ったのち、実家で悲しみに暮れていた長子のもとに、堀河天皇の父である白河上皇から再出仕の命が下ったのである。断りきれず、長子はわずか5歳で即位した堀河天皇の子、鳥羽帝への再出仕を決めた。現在と過去がめまぐるしく入れ替わり、鳥羽帝のかわいらしい仕草も書かれているが、全編堀河天皇追慕の情に溢れている。この日記は堀河天皇の死去後の2年程を書いたものであるが、鳥羽天皇に仕えて10年が経った秋ごろから、長子は心を病んでしまい、宮中を離れることになったと、源師時の『長秋記』に記録されている。斎藤貞博講師は当時の京の住い、建物や道路名など詳しくホワイトボードに書き出し、この古典文学の説明と共に臨場感を以て講座を行った。受講者一同古典の風を受けたのである。